ひとりの夜は寒いから。


「まァた、私のベッドで寝てる」

「え、嫌なの?何にも言わないからてっきり」

「狭いもの」

「いいじゃん、寝かしてよ」


そう言って彼は寝たふりをはじめた。
思わず笑ってしまった私は彼を跨ぎ、壁際の方に潜りこむ。


「せまい」

彼の耳を見ながら呟くと、彼が腕をまわしてぎゅっとしてきた。

「狭い」

もう一度言ってみる。

「君の心が?」

彼は目をつむったまま、笑った。

「蹴落とされたいの?」

「君がいいなら、いいよ」


彼は私をいじめるのが上手い。
あ、何だかムカムカしてきた。

「…馬鹿」

「お褒めに預かり光栄です」

「……むかつく」



それでも私が彼を蹴落とさないのは