「拝島」
「…」
「拝島」
「…」
「はーいーじーま!?」
「…?」
三回目に、やっと顔を上げる。聞いてますよ、という意味だ。
そしたら三芳の不機嫌な顔が目に入った。
「…無口なのは勝手ですけどねぇ、ちゃんと話はきけっつの」
そもそもあんたは、とか、人の話を聞く時は、とか説教のような文句がぶつぶつと続く。
 別に聞いてないわけでは無かったのだけど。ただ反応を返すということを忘れていただけで。
と、そんなことを思ったところで言わなきゃ伝わらないわけなのだが。
「…ていうかそんだけ喋らなくて不便じゃないの、あんた」
それは不便だ。
でも無口なのにだって僕なりの考えはあるわけで。
「何か言いたいこととかないわけ?」
「…好き」
「は?」
「三芳が、好き」
その瞬間の三芳の顔。可愛いと思う僕って重症ですかね。
「…なんちゃって?」
でも答えを聞くほど臆病でなくない。
「…っ馬鹿!!!アホ!!死ね!!」
怒りのせいかは知らないけど顔を真っ赤にして三芳が殴ってくる。
痛い。
ま、今のところは、今のところはね、冗談ってことで。
でも、ねぇ、三芳、
 
たったの一言で僕が君をどれだけ好きか伝わるのって素晴らしいと思わない?
 

fin