『−−−』
「−−−−、…−−−」
チクリと、時計の針が動く。
ちょうど日づけが変わったその時から秒針がひとまわり。
暗い窓ガラスに映る街のネオン。
赤や緑が多い。そこで、ああクリスマスなんだなと今さらながらわかった。
彼から見てはるかに下の街を、彼女はどんなところから見て、何を感じているのだろう。
いっしょに買った、おそろいの携帯電話から、涼しく優しい声を響かせている彼女は。
彼は、あることを思いついた。
「−−−−」
カーテンを開ける音がする。
『−−−…!』
予想通りの反応に、顔がほころんだ。
近くて遠い、遠くて近い、電話の距離。
この時だけ、二人を隔てるものはなにもなくなる。

「『メリー・クリスマス』」

今夜は、眠れそうにない。