「お前の眼鏡さぁ…もしかして遠視用?」
「だよ。」
「へぇ…その顔で老眼なのかよ。」
「僕の歳だと老眼って言わないよ、多分。」
「あり?そうだったか委員ちょ?」
竜介は良太郎の眼鏡を持ったまま間の抜けた顔を一ノ宮に向ける。
「お前は脱線せずに勉強する事が出来ないのか?
次いでに言えば俺が学級委員長だったのは小学生までだしな。」
一ノ宮は至極不愉快そうに笑う。
「良いじゃん良いじゃん、休憩タイムだよ」
「十五分しか勉強してないのに三回目だよね休憩。」
竜介の言葉に良太郎が苦笑した。
「え?けど勉強始めてから一時間たってるぜ?」
竜介が薄暗くなり始めた教室内の時計を指差した時、古文の教科書が空を舞った
。
「それは休憩タイムが四十五分間有ったからだ!!」
「委員ちょノーコン〜!
ってだぁ!!」
明後日の方向に飛んでいった古文の教科書を見ながら茶化す竜介の顔面に第二投
の筆箱がめり込む。
「敵を知って己を知れば百戦危うからず…だね、一ノ宮君。」
良太郎は自分の眼鏡を回収する。
「畜生!そんなに虐めるなら一人眼鏡しりとりしてやる!!」
「だから何で眼鏡だ。」
竜介の非難めいた声に一ノ宮は全うな突っ込みを返す。
「お題が眼鏡だからだ!」
「それを言っちゃあ…」
良太郎の言葉に一ノ宮の溜め息がかぶった。
「…最低だな。」