「ねぇ、眼鏡って邪魔じゃない?」 そう彼に聞いたのに、返事がない。 「ねぇってば。」 「え、何、なんか言った?」 彼は読んでいた本から目をこちらに向けた。 「なんか言った?じゃなくて! 眼鏡、邪魔じゃないのって聞いたのーっ!」 そう言って近くにあったクッションを投げつける。 それをかわして、彼は笑いながらごめんごめん、なんて言っている。 「うーん、確かに最初は邪魔だと思ったけど 見えないよりはいいし、今じゃほとんど顔の一部みたいなもんだよ。 でもなんでそんなこと聞くんだよ。 もしかして、お前も目ぇ悪くなった?」 「いや、悪くなったのは私じゃなくて友達。 だからどうなのかなぁって。」 そんなことを言いながら、彼の眼鏡をとってかけてみる。 「どう?ていうかキツいね、これ。見てられない。」 「目がいいからだよ。でもほんと、似合わないねぇ。かけない方がいいよ。」 「やっぱり?」 彼は眼鏡をかけ直し、笑っていた。