やさしさを、わけてください






Love me do





初めて会った彼女は美しい顔を涙で歪ませていて
すがるような強い瞳から目が離せなくなったことを覚えている

「わたしを、あいしてください」
「だれでもいいんです、わたしをあいして」

そうだ、だれでもいいなんて、
きっと同じようにあいしてとたくさん言い続けて

なんてかなしいひとだろう

「わたしはひとりで、ほんとうはとってもこわいんです」
「わたしは、あなたをあいすることができます」
「あなたは?」

握り締めた指先から伝わってくる氷点下
ぼくもきみをあいせるよ

やさしさというなのうそをついて、彼女を救って、ぼくは逃げて、
初めての嘘はおどろくほどまっすぐに彼女の心へしみこんだ
微笑んだ顔を見てあらためて彼女は美しいと知る

やさしさが真実に変わるとき
きみはぼくを信じていてくれるかな