羅針盤よさあ指してくれよ



「今日はこれで終わりでいいぞ」

「はい、ありがとうございました」


町のすみっこのガソリンスタンド。

僕は、そこで働いている。

たいした金にはならないけど、そこでしか雇ってもらえなかった。
少しの金でも、生活のために、


(頑張ってるつもりだけど、)


君の笑顔がくずれないために。

あわれに思われても僕は自分がどこにいるかわからないんだ。

ねぇ、教えて。



羅針盤よ、指し示してくれよ。





「お疲れ」

「な……んで、」

「もうすぐ終わるかな、って思って」

僕はあなたのもとへと走り出す。

向かい風さえも吸い込んで。

あなたを抱きしめて。


「どうしたの?」

「ううん、ありがとう」





あとどれくらい僕は生きていられるだろうか?

あとどれくらいあなたの傍にいられるの?

お願い、行かないで!


情けない僕を置いてかないで!