金色の髪が美しく光った。
嗚呼、この人は誰だろう。
鋭い切っ先に絡まる赤は生々しく、私を守るものは既にべたべただ。
浅くえぐられた頬がずきずきと痛む。

「カイ、大丈夫かっ」

相手を剣で押しながら、横目できいてくる。
私の心配なんてしている暇があるのなら、自分の身の安全を優先してほしいものだ。
その青い瞳も、白い肌も、私のものなんだから。

「わかった」

きいん、と耳障りな音が辺りに響く。
共鳴する。
うめき声が叫び声が泣き声が交差する。
混ざり合う。
頭がぐわんぐわんする。
アルとのことが周りに知られてはいけないだとか、そんなことを考えなくて済むのは戦場だけだ。
常に強く、気高く、美しく存在しなければ、私に価値などないに等しい。

「はあっ、ただいま」
「おかえり」

全てを終えたアルに微笑んだ瞬間、胸に熱い何かが突き刺さった。
アルは驚いたような表情をした。
下を見ると、串刺しになった私とアルの姿がある。
私を貫通して、アルにまで届いてしまったのか。

「っ、ぐ」

話そうとすれば、口から血が溢れてくる。
ずるりと抜かれた剣は、私に相手を教えることはなかった。
反動でアルが倒れかかってくる。
初めて人前で、アルと抱き合った。
傷口が押されて流れる赤が更に広がり、はあはあと荒く息をしているアルは目も虚ろになり、遠くからは仲間たちが走ってくる。
これが私の最期の風景か。
やたら青い空からは天使も何も降りては来ない。
やはり空想の世界のものだったのかな。

アルの口から落ちる血をぐちゅりと舐めた。