雪が降っているからだろうか。
指先が白くなるほど、強く繋がれた手は、いつまで経っても暖かくはなかなかった。

「寒いね。」
「そんなことないよ。」

絡めあった指に、力がこもる。

「海斗がいるから、大丈夫。」

拓海は、くすりと笑った海斗の頬を、左手でそっと撫でた。

「ん、冷たいよ。」
「海斗は暖かいね。」
「そう?」
「うん、とっても。」

そしてそのまま、拓海は海斗の口に、そっと自分の唇を近付けた。





「………はい、カーットぉ!」
「キャー!」
「「……」」

映像研究会の会長で、友人の新は、やっと満足してくれたようだった。
周りにいる女生徒達が騒いでいて、とてもうるさい。
こんなののどこが楽しいんだろうか。

「いやぁ、本当にありがとう!お陰でいい映像が撮れたよ!」

この天使のような甘いマスクの下に、一体どんな悪魔が潜んでいるのか、知っている者は少ないだろう。

「それはどーも。」
「また撮らせてくれよな!」
「「いや、遠慮しときます。」」
「そんなこと言わずにさぁー」

ね?と見つめてくるこの人懐っこい瞳に、何回騙されたことだろうか。

「やだよ。」
「えー」
「ならさ、新が修とかとやればいいじゃん、次は。俺と拓海が撮ってあげるからさ。」
「、、、へ?」
「うん、これいいじゃん。いつも俺らばっかなんだから、たまにはさぁ。」
「い、嫌だよ…」

もしかしたら、にこにこと笑って提案している海斗こそが、本当の悪魔なのかもしれない、と拓海は思った。